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Posted by のらんば長崎運営事務局 at

2013年03月29日

仰げば尊し、先人たちの顔

どこかで、こういう本を待っていた気もする。
読んでいて、膝を打つ!
感心し、その感性の素晴らしさに酔う。

久世 光彦著「ひと恋しくて~余白の多い住所録~」から、〈森繁久彌〉の項。

この人がいなくなったらどうしようと思うことがよくある。

向田邦子さんはこの人のことを〈おてんとうさま〉とよく言っていた。
さすが賢い人はうまいことを言う。
毎朝起き抜けに襟を正して遥拝する気にはならないが、
ほんの時々、暖かさが身にしみるというのである・・・。


 ▲酸いも甘いも・・・この人にお任せ

向田さんと私とは、勝手に自分たちの方で決めた森繁久彌の弟子であった。
向田さんは、あの胡散臭さがたならなく好きだと言っていた。
インチキの妙とも言っていた。
私は、不用意に見せかけてヒョイと覗かせてくれる、
おまけみたいな心細さが好きだった。

腰が浮き掛けたり、目が泳いだり、情けなく口ごもったりする芝居を
この人くらい〈本当に〉できる役者は後にも先にもいない。
生きていることの心細さ、まるで〈屁〉のような可笑しさ、頼りなさを
私たちに見せてくれるのは、師匠、あなたしかいない。

だから、この人がいなくなったらどうしようと思うことが、よくある。

100

名文とは、こういうことを言うのかも知れない。



大の大人が、その生き様で演じるみっともなさ・儚さ。
人を取り巻く滑稽さや善悪を、愛しさと憧憬で仰ぎ見る視線。
真の大人は、懐も思考も深いと感じさせる。

  


Posted by 夜更かし中年隊 at 08:25人物探訪
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プロフィール
夜更かし中年隊
夜更かし中年隊
アラカン(アラウンド還暦)世代。
親父の立場や経験から、
独り言・視線・つぶやきを交えながら
世の中を笑い飛ばして行きます。
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