ホットな日々

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長崎では劇場未公開の、2009年作品「川の底からこんにちは」。
映画館経営してたらロングラン上映やって、人に奨めたい位の痛快作です。

【送料無料】川の底からこんにちは 価格：3,591円（税込、送料別）

　▲負け犬からの脱却！？

上京5年目、彼氏は５人目、そして会社は５つ目の派遣社員・・・
仕事も人生も妥協しながら生きているヒロインが父親の病気を契機に実家に戻り、
家業の〈しじみ加工工場〉の再建に奮闘・・・という、ストーリーは到って暗くて地味
でもこれが、人生に開き直り逆境に立ち向かっていく人生応援歌の映画に仕上がってる。
ユーモラスでミラクルな展開が、生きていく勇気さえも与えてくれる作品になっています。

タイトルの「川の底から・・・」は、勿論しじみの事でもあるのですが、
人生の底辺で頑張っている人達の事だと解ってきます。



監督は1983年生まれの石井裕也、まだ２０代の若さ。
この作品が商業映画デビュー作で、日本映画期待の新鋭と呼ばれています。
若いのにこれだけ醒めた視線で人生模様を描けるとは「お主、タダ者ではないな？」
「例え小さなものであっても、人間の中に希望を見つけたい。」と言う監督だけに、
今まで中途半端だった人々が逆境に立ち向かっていく姿が共感を呼びます。


　▲これからの邦画界を背負って立つ！石井裕也監督

ヒロインは「悪人」でも嫌な性格のＯＬ役にチャレンジしていた満島ひかり。
情に流される軽薄で薄幸な女性を演じると光るものがあります。
今回も子持ちで気が弱い、どうしようもない駄目男を引き連れての登場にニヤリ！
この作品でヨコハマ映画祭主演女優賞等を獲得しています。


　▲この前までＮＨＫ朝ドラでも頑張ってました。

子供も放って駆け落ちするツレのダメ男振りや親父のただれた生活、
着替えシーンが生々しくも逞しいしじみ叔母ちゃん達の顔ぶれ、
岩松了演じる世話好き叔父さんの酒癖の悪さ・・・
登場人物みんながどうしようもなく生きていて、どっか可笑しく愛おしい。
劇中で高らかに歌われる「木村水産社歌」が、力強く聞き応え充分で笑わせてくれます。



独特の映画のリズムや波長・雰囲気・個性豊かなキャラクター。
「川の底からこんにちは」は、2010年キネマ旬報ベストテン第5位にも輝いた傑作。
ＤＶＤ見て笑って泣いて、そして生きる勇気と元気を貰おう！

石井監督はこの映画の翌年2010年10月、ヒロインの満島ひかりとちゃっかり入籍。
もう直ぐ光石研主演の不器用なシングルファーザーを描いたハートフルなドラマ、
「あぜ道のダンディ」も劇場公開されます。

この映画見るとしみじみ、しじみお味噌汁飲みたくなりまっせ！