2013年04月12日

回顧する独身時代、懐かしの「日曜日たち」

過ぎ去ってかなり遠くへ来てしまった、一人暮らしの時代。
そんな昔をふと思い起こさせてくれた小説が、
長崎市出身でお気に入り作家・吉田 修一著の「日曜日たち」。

〈日曜日〉は、過去との「決別」と未来への「再生」が始まる日。
歌のタイトルにもなる「終着駅」は「始発駅」でもある。
都会暮らしの男女5人の異なる連作短編が、
母に会いに行く幼い兄弟を巡る物語で一本に繋がっていくマジックが面白い。

回顧する独身時代、懐かしの「日曜日たち」
 ▲耳のピアスのミステリー

「金に細かい奴は、俺は男として認めん」
「忘れようとすればするほど忘れられん。
 人間ちゅうのは忘れたらいかんものを、こうやって覚えておくものなんやろうなぁ」
「23歳。そろそろひとりの女を、自分の手で幸せにしてあげたいと真顔で思う年頃・・・」
「男にだらしない女に限って、荷造りがぜんぜん出来てねえんだよなぁ」
「強引さというのは、度を越すとロマンティックになれる」
「結局、自分より強い女とは、一緒に暮らせない男なのだ。
 弱い女と暮らすことでしか、自分の強さを認めることができない、
 幼稚で、バカで、キスがうまいだけの男だったのだ」・・・

いろんな人との出会い・いろんな出来事の中の、
妻・親子・兄弟・恋人への、どこか憂鬱としたもどかしい感情。
誰でも人生へのおぼろげな不安や迷いを胸に生きている。
どこにでも転がっていそうな、ちょっと重かったり切なかったりする物語。

ラストには、人生決して理不尽で悪いことばかりではないと
強く生き抜いてる人々や日常が描き出されて、救われた気持ちと希望が沸いてくる。

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吉田修一は、1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。
クラブ活動やってた、スイミングスクールのインストラクター等のアルバイトを経験。

回顧する独身時代、懐かしの「日曜日たち」
 ▲昔スイマー、今では人気作家・ベストセラーの吉田修一氏

1997年「最後の息子」で文学界新人賞。
2002年「パレード」で山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で芥川賞受賞・映画化。
2007年、「悪人」で大佛次郎賞と毎日出版文化賞受賞。
2010年、「横道世之介」で第23回柴田錬三郎賞を受賞。
映画化された作品も多いし、「water」は自ら映画化映画監督デビューしている。

映画「water」長崎公開時に監督・主演者が来崎した時や、
新作出版で本屋サイン会の時、追っかけしてた時代もあったなぁ。




Posted by 夜更かし中年隊 at 06:13 │人生いろいろ

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アラカン(アラウンド還暦)世代。
親父の立場や経験から、
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