2013年04月08日

久世流「記憶の中の人々」

先般ここでも取り上げた、久世光彦著「ひと恋しくて~余白の多い住所録~」。

この本には遣り残した宿題みたいに、
ずっと気になりブログに書き留めておきたい文章が多々ある。
久世流「忘れられない記憶の中の人々」。
果たしてその見方が、本物か?偏見か?嘘か?は知らねども・・・

◇村松 友視(作家)
自分のいる処の温度やそこに吹いている風の中に、
明るく気持ちよく在る術を知っているのだろう。

久世流「記憶の中の人々」
 ▲心地よい風の中にいる作家

◇なかにし 礼(作家・作詞家)
昭和40年代の一時期、小さな部屋の中の男女のつらい別れは、
なかにし礼の独壇場であった。
なかにし礼は別れをインドアの情景に移し、男と女の立場を五分五分にした。

◇糸井 重里(コピーライター)
子供がひとり酒場に迷い込んで遊んでいるのかと思った。
その言葉遣いが変に正確で、
一つ一つの言葉に色があり楽しいリズムまであった。

久世流「記憶の中の人々」
 ▲言葉に色とリズムがある

◇小林薫(俳優)
酷薄ということは、自分しか愛せないという悲しみのこと。

◇中川 一政(画家)
この先生の傍にぼんやり座っていると、
この世に生まれてきて良かったと思ったものだ。
それと同じ位に、もう死んでもいいやとも思った。

◇鴨下 信一(演出家)
わかり易くユーモアがあって、
それなのに夕暮れの剃刀みたいにキラリと光って鋭い。

久世流「記憶の中の人々」
 ▲柔和の中に鋭さが・・・

◇ちあき なおみ(歌手)
ほどほどに軽く、ほどほどに投げやりだからこそ、悲しく胸に沁みた。
名人のピッチャーは「抜いた」球を投げるというが、
ちあきなおみは「抜く」ことを知っている。

◇市川準(映画監督・CMディレクター)
だいたい色気というものは、それが無ければ生きていけないものでも何でもない。
ただ、それが無いといきている〈甲斐〉がないのである。

◇山内 明(俳優)
俳優に限らず男も女も、
この色っぽさが無くなったら生きていても仕様がないと思う。

久世流「記憶の中の人々」
 ▲色っぽい男?

◇工藤 静香(歌手)
不幸と美しさを見境なく身に着けた女。

◇上村 一夫(漫画家)
初対面の時から、こいつは早晩死ぬだろうと思った。
生きているより、死んだ方が似合うという奴がたまにいる。
ちょっと大袈裟に言うなら、処女作からして遺作のようだった。

◇柳葉 敏郎(俳優)
柳葉敏郎という役者が、いま好きである。
面白くてならない。
今時珍しく、仇討ちみたいな顔をしてやってくるからである。

久世流「記憶の中の人々」
 ▲仇討ちみたいな顔?

◇加藤 治子(俳優)
優しい匂いのする母親だったり、貞淑な夫人だったり、
千人の男と寝た娼婦のこともあれば、爛漫の桜に狂った女のこともある。
童女の目をしているかと思えば、この世の果てを見てしまったように
荒涼とした目を虚空に漂わせていることもある・・・

100

人の心に歯形を残してこそ小説とも言えるし俳優だ。
偏見であろうが嘘であろうが、記憶に残ってこそ名作・名優だ。

「嘘は人生の調味料」。
「上等な嘘は、教養の一つである」。





Posted by 夜更かし中年隊 at 11:05 │人生いろいろ

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アラカン(アラウンド還暦)世代。
親父の立場や経験から、
独り言・視線・つぶやきを交えながら
世の中を笑い飛ばして行きます。
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