巡り合った芥川賞「九年目の祈り」

夜更かし中年隊

2015年07月21日 11:25

先日家人を迎えに行って立ち寄った東長崎公民館図書室で、
偶々見つけたのが「九年目の祈り」が掲載された文藝春秋芥川賞発表号。


 ▲「九年目の祈り」は今年の文藝春秋3月号に全文掲載

先日新しい直木賞・芥川賞が発表され、
芸人の又吉直樹著「火花」が芥川賞に選出され話題を呼んでいるが、
その前回の芥川賞受賞作品が小野正嗣著「九年目の祈り



この号は購入してなかったし気になってたので、早速借りる事に。
受賞当時に新聞掲載されていた受賞作家:小野正嗣氏の関連記事も、
何故だか切り取って保管していた。


 ▲日の目を見た?毎日新聞の記事

昨夜早目に床に就き一眠りしたら朝2時頃目覚めたので、
返却日のことも考え早速チャレンジし一気に読破。
深夜は邪魔するものも少なく、いろんな世界に没頭出来る。

35歳になるシングルマザーのさなえは、
幼い息子の希敏(けびん)を連れて大分の小さな漁師町に戻って来る。
スイッチが入ると〈引きちぎられたミミズ〉のようにのたうちまわり、
大騒ぎする問題児の息子を抱えながらも懐かしく思い出すのは、
九年前〈みっちゃん姉〉達と出掛けたカナダ旅行の記憶だった・・・

小さな田舎町の風土や郷愁・人の好さ、
それと対照的に明け透けで保守的・閉鎖的といえるしがらみ。
かけがえのない故郷への作家の愛着は充分感じられたが、
永遠に続きそうな小さなエピソードは取り留めもなく、
自分に読解力が無いのか?ラストシーンにも終息が見えずじまいだった。


 ▲何処か〈爆笑問題〉の太田光に似てる小野正嗣氏

犬を飼っておったら情が全部その犬に移り、子供ができんことになる。」
「何か良い事が起こった時、人に話すと幸運の効果が失われる。」
「人は胎児の時の経験を覚えている。」
少なくとも男で一番大切なのは甲斐性だ。」・・・
嘘か?真か?土地柄でもいろんな言い伝えがあるものだ。

受賞作と同時に掲載されていた芥川賞選評や受賞の言葉&インタビュー記事に、
作家の意外なバックボーンを発見!出来て面白かった。

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