2014年08月17日
色川武大を巡る無頼飛行
「僕たちは離婚した・・・はずなのに、またいつの間にか一緒に・・・」
色川武大の1978年直木賞受賞作「離婚」を一気読み。
男女間で繰り広げられる奇妙で不思議な愛と別れ、そして倦怠を描く4編物。
こうした腐れ縁的人情の世界は、世間を知れば意外と多い。
理屈や常識だけでは到底理解できない世界。
深くて大きな川が、男女間を流れている。
作家「色川武大」は坂口安吾や檀一雄など無頼派系統を継ぐ小説家として活躍、
一方ではエッセイスト・雀士としても知られる。
〈色川武大〉名義では「怪しい来客簿」「百」「狂人日記」等の純文学を著し、
〈阿佐田哲也(朝だ!徹夜だ!のもじり)〉として「麻雀放浪記」等のギャンブル小説を書き、
その世界では「雀聖」とも呼ばれ〈神格的扱い〉の人物。
小説「麻雀放浪記」は和田誠初監督で映画化され、
こちらもベテラン俳優・高品格の渋い演技が光る名作。
20代前後の頃本屋で無作為に買った「怪しい来客簿」に衝撃を受け、
それ以来「色川武大」は個人的に思い入れの深い作家。
リンゴやボール等を怖がる「円形恐怖症」や原因不明の睡眠障害「ナルコレプシー(眠り病)」。
「本を読まない文学青年」と呼ばれたり、
生活費の殆どを競輪などのギャンブルで稼いだり・・・
父親の事を綴った「黒い布」が伊藤整や三島由紀夫等の激賞を受け中央公論新人賞受賞。
小説にも登場する美人と名高い16歳年の離れ奥さんの結婚観もふるっている。
「この人は病気で数年で死ぬ。その間看病して、この怪物のような人と暮らしたい・・・」
そして、ギャンブルから学んだという哲学や人生観。
「ツキの流れを読んでそれに従う」
「〈運〉は円の上をグルグル回っている。自分に近い時もあれば、遠い時もある」
「(相撲でいえば)欲張りすぎず9勝6敗を狙う。8勝7敗では寂しく、10勝を狙うと無理がでる」
「全力を出している時も、20%の余力があるという気持ちを常に持つ」
「幸運が続きすぎると危ない」・・・
知れば知るほど謎が深まる、面白い人物。
▲直木賞作家・田中 小実昌、色川武大、俳優・殿山泰司の懐かしい3ショット
奥さんの色川孝子著「宿六・色川武大」、
沢木耕太郎 「夕陽が眼にしみる」(無頼の背中―色川武大)、
伊集院静「いねむり先生」など、「色川武大」の関連本も多数ある。
それら等を追って読むのも一興か?
色川武大の1978年直木賞受賞作「離婚」を一気読み。
男女間で繰り広げられる奇妙で不思議な愛と別れ、そして倦怠を描く4編物。
こうした腐れ縁的人情の世界は、世間を知れば意外と多い。
理屈や常識だけでは到底理解できない世界。
深くて大きな川が、男女間を流れている。
作家「色川武大」は坂口安吾や檀一雄など無頼派系統を継ぐ小説家として活躍、
一方ではエッセイスト・雀士としても知られる。
〈色川武大〉名義では「怪しい来客簿」「百」「狂人日記」等の純文学を著し、
〈阿佐田哲也(朝だ!徹夜だ!のもじり)〉として「麻雀放浪記」等のギャンブル小説を書き、
その世界では「雀聖」とも呼ばれ〈神格的扱い〉の人物。
小説「麻雀放浪記」は和田誠初監督で映画化され、
こちらもベテラン俳優・高品格の渋い演技が光る名作。
20代前後の頃本屋で無作為に買った「怪しい来客簿」に衝撃を受け、
それ以来「色川武大」は個人的に思い入れの深い作家。
リンゴやボール等を怖がる「円形恐怖症」や原因不明の睡眠障害「ナルコレプシー(眠り病)」。
「本を読まない文学青年」と呼ばれたり、
生活費の殆どを競輪などのギャンブルで稼いだり・・・
父親の事を綴った「黒い布」が伊藤整や三島由紀夫等の激賞を受け中央公論新人賞受賞。
小説にも登場する美人と名高い16歳年の離れ奥さんの結婚観もふるっている。
「この人は病気で数年で死ぬ。その間看病して、この怪物のような人と暮らしたい・・・」
そして、ギャンブルから学んだという哲学や人生観。
「ツキの流れを読んでそれに従う」
「〈運〉は円の上をグルグル回っている。自分に近い時もあれば、遠い時もある」
「(相撲でいえば)欲張りすぎず9勝6敗を狙う。8勝7敗では寂しく、10勝を狙うと無理がでる」
「全力を出している時も、20%の余力があるという気持ちを常に持つ」
「幸運が続きすぎると危ない」・・・
知れば知るほど謎が深まる、面白い人物。
▲直木賞作家・田中 小実昌、色川武大、俳優・殿山泰司の懐かしい3ショット
奥さんの色川孝子著「宿六・色川武大」、
沢木耕太郎 「夕陽が眼にしみる」(無頼の背中―色川武大)、
伊集院静「いねむり先生」など、「色川武大」の関連本も多数ある。
それら等を追って読むのも一興か?